学習塾の料金の中に「事務管理費」というものがあることをご存知でしょうか?
塾によっては「システム管理費」や「生徒管理費」という名称になっていることもあります。
このように塾では通常の月謝(授業料)とは別に、毎月かかる費用があるのです。
入塾時の説明で「これはどちらの塾でも一般的に必要となるものですので…」なんてサラッと説明されてしまうことがあるのですが、ウソです。必ずしも「なんとか管理費」が必要となるわけではないのです。
その辺りの事情を塾長経験者の視点で説明してみたいと思います。
月謝を安く見せるためにあるのが「事務管理費」
塾で毎月必要とされる「事務管理費」「システム管理費」などは月謝を安く見せるために設定されているものです。塾選びでは料金を比較されることが多いので、見かけの料金を低くしているのです。
これは次のようなA塾とB塾があったとすると、A塾が選ばれがちだからです。
【A塾】
月謝…1万2000円
事務管理費…1500円
教室利用料… 500円
合計…1万4000円
【B塾】
月謝…1万4000円
事務管理費…なし
教室利用料…なし
合計…1万4000円
パンフレットやホームページでは月謝だけが目立つように掲載されていて、そこだけで【A塾】1万2000円対【B塾】1万4000円と判断されてしまうのです。
パンフレットやホームページをよく見ればA塾には、「ほかに事務管理費、教室利用料がかかります」と記載されています。ただし、文字が小さかったり、目立たない場所のため気づかないのです。
その結果、A塾に決めた後で、「これはどちらの塾でも一般的に必要となるものですので…」なんて説明に納得してしまうのです。
事務管理費の名目で徴収したお金も月謝として徴収したお金も塾から見れば「収入」です。ここから人件費や家賃などの経費を支払っているのです。事務管理費だけ別会計になってるわけではありません。
本来であれば「月謝」で得た収入の中から「やりくり」しなければならないのですが、そうすると見かけの月謝が高くなってしまうのです(上のB塾の例)。
このため「なんとか管理費」なる名目をひねり出して、月謝を低く見せているのです。ただし、個人塾の場合は経営者のポリシーでそうしたことをしていない「正直な」塾もあります。
塾の料金を比較する際には、「なんとか管理費」など月謝以外に毎月かかる費用があるかを確認する必要があります。「どこの塾でもこれぐらいです…」という塾のトークにだまされないようにしてください。